東日本大震災発生に際してのグローバルCRT会長メッセージ
- 2011/3/22
- 去る3月11日に発生した東日本大震災について、ノエル・パーセル(Dr. Noel Purcell) グローバル経済人コー円卓会議(CRT)会長よりメッセージが届きましたのでご紹介いたします。
- 先週の金曜日に日本の東北地方を襲ったマグニチュード9.0の地震による大震災を、大きな衝撃と共に受け止め、胸が痛みます。
地震やそれに続く津波といった自然災害に見舞われる度に、我々人類は決して世界を意のままに支配できる者ではないのだと思い知らされます。我々の想定を超えたこうした事象は、現実と、我々の住む地球についての謙虚な思いへと、我々を引き戻します。この艱難はまさに現実のものなのです。
素晴らしい科学の躍進、自由で公正な豊かな市場活動、優秀な管理者として機能する政府機関、世界の繁栄のための不可欠な駆動力である企業、これらが可能な姿であるのと同時に、逆もまた真であり、科学的思考が生む過信、機能不全に陥って暴虐的かつ自己中心的となった市場、善良な市民を搾取する非情な政府機関、共通の利益や広い社会のニーズを無視する企業。これらもまた有り得る姿なのです。
ただ、今の私の目には、こうした人間の英知としてまず賞賛されるべきものとして、日本の人々の勤勉さという価値観と、建築物に求めるより高い水準が際立って映るのです。往々にして企業や規制監督機関に蔓延しがちである、「壊れはしないのだから、ここまで厳格に修理する必要はないだろう」という、運営や管理における現状への自己満足を振り払うべき、一例と言えるでしょう。
日本での観測史上最大の地震の後も、東京の地下鉄は崩壊することなく、新幹線が脱線することもありませんでした。そして、高層ビルは5分間揺れ続けても、倒壊することはありませんでした。
日本における卓越した建築基準に対する企業と行政のコミットメントが、多くの命と資産を救ったことは、賞賛に値します。
当然のことながら、厳格な建設基準を満たすエンジニアリングや設計、建設には、より高額な費用を要するでしょう。しかし、この取り組みこそが、非常な危機の最中においても沢山の命を救う、より重要な結果に繋がっているのです。
私には、これがCRTのビジョン、原則、取り組みに対する検証のように感じられるのです。あらゆる可能性を検証し、自らの最善を為すこと、これは即ち、ビジネス活動や良き生き方をするための是であると考えます。「社会全体を配慮した上で自己利益を考える」-これが恒久的な価値を生む倫理的な力であると思います。このことは、我々の認識する日本の原則と「共生」の価値観を大きく反映しています。すなわち、思慮深く他者との相互依存を配慮ること無しに、また、豊かな環境を維持してゆくために必要なものが何かを考慮すること無しに、誰も繁栄することはできない、という「共生」の価値観です。
目先の損得によって判断するだけでは、今後、これまで以上の頻度で発生するといわれる巨大地震や、気候変動による避けがたい影響、2008年にウォール・ストリートの金融機関が見せたような野放しの過剰行動を引き金とする世界的な金融危機などから、企業や人を守ることは出来ません。
これから日本が必要とするのは、高い市民としての意識を持ち続けること、政府の責任とイニシャティヴ、民間セクターへの信頼であり、これまでよりも高い基準を再構築すべく、全員が協力して被害の復旧につとめる事でしょう。
我々は日本の国民、政府、企業のリーダーシップが、この艱難を乗り越える力を持っていると信じています。そして、世界中が支援のために立ち上がっている事に勇気を覚えています。
被害を受けられた全ての方々への、心からの祈りを込めて
敬 具
2011年3月16日
グローバル経済人コー円卓会議(CRT)
会 長 ノエル・パーセル
(翻訳:美馬 伯海子)
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