CRTの軌跡

フェーズ2. 行動指針の作成と普及を通じた「理解」の時代
        (1992年~2000年)

 日米欧の貿易摩擦問題解消を目的として歩みを始めたCRTでしたが、時代は1991年に発生したソ連邦の崩壊に伴う、資本主義対社会主義の対立という構図の崩壊や、いわゆるグローバル化の急速な進展といった転換期へと進んでいきました。また、アジア地域の経済発展に伴って、これまで日米欧三者の対話の場として機能していたCRTもインドや中国、台湾などでも会議を開催し、意見交換を進めました。そして、 こういう時代背景に合わせるかのように、CRTでの議論も単に三極間での「対話の場」から、各地域間の「競争と協調」をいかに図るかということへと変わっていきました。
  そして1994年、CRTは「CRT:企業の行動指針」を策定し、世界に向けて発表しました。
「CRT:企業の行動指針」では、日米欧三極からそれぞれその支柱となるべき理念が盛り込まれました。
 
CRT:企業の行動指針 3つの理念
     ・共生
     ・人間の尊厳
     ・ステークホルダー原則

 この行動指針は7つの原則と7つのステークホルダーからなり、各原則・ステークホルダーごとに企業が果たしていくべき責任について述べられました。また、この行動指針は文化や習慣、宗教が異なる日米欧の経済人達がともに作り上げた行動規範としては世界で初のものといわれており、以後作られる同種の規範類に大きな影響を与えることとなりました。日本においても、折しもその改訂作業が進められていた経団連の企業行動憲章(1986年改訂版発表)に、その考え方が多く盛り込まれたといわれています。
CRTの主な動き
1992
2月、経済人コー円卓会議ヨーロッパキャンペーン開催(ロンドン、パリ)
テーマ:「日米欧-競争と協調」-限界点に達した日米欧の競争-
8月、第7回CRTグローバルダイアログ開催
テーマ:「『日米欧-競争と協調の新しい道』あらゆる角度からいかに真の『共生』を目指す」 
※共生の精神によるルールブック作りが提案される
1993
4月、経済人コー円卓会議中間会議(華南(中国)、東京)
テーマ:
東京 「真の共生を目指す日米欧の強調と改革」
華南 「華南経済の展望、中国ビジネス哲学と戦略、日米との協調 の可能性」
8月、第8回グローバルダイアログ開催
テーマ:
「高まる貿易対立を回避するには、いかなる姿勢の変化が必要とされるか」
1994
2月、経済人コー円卓会議中間会議(ベルリン)
テーマ:「革新(イノベーション)と東西協力による雇用創出」、「東西協力の拡大による雇用創出」、「教育の向上と適正な教育による雇用創出」
7月、第9回グローバルダイアログ
CRT:企業の行動指針を世界に発表
1995
7月、第10回グローバルダイアログ
テーマ:「競争、企業責任、収益性-『CRT:企業の行動指針』の実践」
1997
8月、第12回グローバルダイアログ
テーマ:
「グローバル企業が国際社会の中で果たすべき役割や責任の明確化」
「経済人コー円卓会議の役割の明確化」
「グローバル企業の役割を明文化した『ポジション・ペーパー』の継続的討議と採択(世界的な失業の認識:企業行動の透明性、公明性、雇用・失業・環境等)』
「経済人コー円卓会議の理念をより深めるためのアクションプランの策定」
1998
3月、経済人コー円卓会議日本キャンペーン
7月、第13回グローバルダイアログ
テーマ:「グローバル企業が世界で果たすべき役割や責任とは何か?」
1999
7月、第14回グローバルダイアログ
テーマ:「節義あるビジネスリーダーシップの実践」
2000
春、CRTグローバル・ガバニングボードが『CRT:企業の行動指針』の今後の展開について検討を行う常設委員会を発足
9月、第15回グローバルダイアログ (シンガポール)
テーマ:「グローバル時代における節義あるビジネスリーダーへの課題」

 

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 フェーズ1『フェーズ1:通商問題に端を発した「気づき」の時代(1986年~1991年)
フェーズ3. 具体的ツール類を用いた「浸透」の時代(2001年~) 
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